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廊下で擦れ違った際の軽い挨拶以外、園山先生とは何の接点も持たないまま私は六年生になった。
結局忘れてしまうことは出来なかったあの光景を再び目にする日は来ず、徐々に記憶の中からも薄れていき、当時の衝撃だけは完全に消えていたように思う。
園山先生と中村アキが仲良さそうに話している場面を見ても、私の心が戸惑いを見せることはなかった。
しかしそんな私を嘲るかの如く、新しい担任は園山先生その人だった。
私の通う小学校は各学年三クラスしかなく、三分の一として考えると、担任が二年連続同じだとしても不思議はない。
好きな先生に当たっても奇跡と呼ぶには烏滸(おこ)がましく、それは同時に運の悪さを呪えないことも意味していた。
唯一の救いといえば中村アキがクラスメートに含まれていないことだ。
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