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「え、どうして笑うんですか!?」
俺は成嶋さんを追いかけて店内へ入った。
「はは、そこまで力説しなくてもこの店には1度来たことがあります。」
そう言って成嶋さんは奥のテーブル席へ座った。
「ここの笊蕎麦、美味しいですから。」
と言って、成嶋さんは店員さんを呼ぶ。
「笊蕎麦もいいですけど俺のオススメは汁蕎麦です!!」
「汁蕎麦は味が濃くありませんか?やはり僕は笊蕎麦です。」
「えー、食べたら絶対気に入りますって!!」
俺達は言い争った結果、お互いのオススメを食べることになった。
少しして笊蕎麦と汁蕎麦が運ばれて来た。成嶋さんは汁蕎麦をじーっと観察して、蕎麦を口に運んだ。
「…成嶋さん、どうですか?」
もぐもぐ…
「ん、思ったより美味しいです。」
と、成嶋さんは笑顔で言った。喜んでくれたのがうれしくて俺も笊蕎麦をつゆにつけ、口に運ぶ。
「砂村、どうですか?」
と成嶋さんも聞いてきた。
「美味ひいでふ♪」
と笑顔を返すと、また成嶋さんは『それはそれは。』と言って笑った。
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