5.デートと夜勤

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「さ、そろそろ行きましょうか。」 成嶋さんは時計を見て言った。時刻は16時40分。勤務交代のために湾空に戻らなければならない時間だった 「…そうですね」 成嶋さんは俺の手を引いて今までと反対方向に歩きだす。楽しい時間は早く過ぎるものだな、と思いながら成嶋さんの横を歩いた。 「そうだ、成嶋さん、俺寄る所あるんで先に戻ってて下さい!時間までには出勤しますから!」 俺はそれだけ言い残して来た道を走って戻った。 45分後。 湾空セキュリティセンターにやっとたどり着いた。成嶋さんは既にロメスルームにいるようで、俺と入れ代わりに江川さんと日高さんが退勤していく。 「ハァ…お疲れ様です。」 「お疲れ、どうしたんだ?そんなに息を切らせて。」 理由があって走ったため、汗だくで息を切らせていた。そのため、日高さんが心配してくれたのだ。 「いえ…、時間に遅れそうだったので。ハァ…」 「そうか、じゃお先に失礼するよ。」 セキュリティセンターを後にする2人を見送って、少し息を整えてからロメスルームに入った。 片手に大きな袋を持って。
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