第一章 海への誘い

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『何でって…。此処父さんの家…。』 寂しそうに僕を見つめる…。   (庵か、アンタは?) 『違うよ、そんな事解ってる!いつ帰って来たのかって事だよ!』 『いつって…。今だよ?手紙送っただろ?今日帰るって…。』 手紙?そんな物届いて居ただろうか?   ピンポンッ! とチャイムが鳴り、無意識に玄関に行く…。 『ハイ?』 『郵便です!』 郵便局員さんが手紙を僕に渡す。 『どうも。』 とお礼を言い、父さんの元に戻って手紙を渡す。 『手紙ってこれかい?』 『あーそうそう、この手紙…。父さんの方が先に到着したみたいだね。』 アハハハと笑いながら僕の肩を叩く。 『あ、そうだ!時耶に土産物が有るんだよ!』 と大きなリュックから何か取り出し、投げて寄越す。 見ると、怪しげな光を放つ丸い石だった。 『エジプトの交易商人から、手にいれたんだ。良いだろ?それ。』 『何か妖しく光ってるよ、これ?』 『そんな事無いさ!父さんの目に狂いは無い!』 見るからに怪しい気がするのだが…。
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