第1夜:悲劇

3/7
303人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
アンジェリカ「私は教会のシスターさんですからね。迷える子羊を救うのが仕事なんですよ。それに……」 悪戯っぽく笑い告げる。 アンジェリカ「君みたいな幼い子が死んじゃうのは見たくないしね」 アンジェリカは手を差し出した。 少女はその手に掴まり、立ち上がる。 アンジェリカ「それでどうかしら?一緒に来る?」 ?「うん❗」 少女は花が咲いたように笑った。 アンジェリカ「あら、可愛い笑顔ね、ルナ」 ?「ルナ?」 アンジェリカ「そうよ、アナタの名前よ。私が付けてみたのよ。どうかしら?」 ?「ルナ……うん、あたしはルナ❗」 アンジェリカ「気に入った?それじゃ行こうか。ルナ」 ルナ「うん、アンジェリカ」 これが彼女達の出会いだった。 それから数年後 ドイツの北方地方の村。 「お、ルナちゃん、今日は何するんだい?」 ルナ「うん🎵人参と林檎と……」 村の八百屋で少し成長したルナの姿があった。綺麗な銀髪に修道服を着ていた。 あれからアンジェリカと一緒に巡業し、一年後に彼女はこの村のシスターになった。ルナは最初は戸惑っていたが、直ぐに慣れた。アンジェリカによく懐き、彼女のシスターとしての仕事もよく手伝っていた。 「ハイよ。いつも偉いね」 ルナ「エヘヘ😃」 照れくさそうに笑う。 「それじゃ、アンジェリカさんによろしくな」 ルナ「うん、分かったよ😃」 ルナは笑い、八百屋のおじさんと別れた。 ルナ達が住む教会は、村の郊外にある。 ルナ「ふぅ、結構重いよ~🎵買いすぎたかな?」 荷物を抱え、教会に着く。 ルナ「ただいま」 アンジェリカ「あら、ゴホゴホッ❗おかえりなさい。ルナ……」 扉を開き、そこには掃除をしていたアンジェリカがいた。しかし、顔は青ざめ、体調が悪そうである。 ルナ「アンジェリカ⁉ベッドに寝てなきゃ駄目だよ⁉」 アンジェリカ「大丈夫よ、私は元ゴホゴホッ」 ルナ「ほらまだ咳込んでる、お医者さんから薬貰ってきたからちゃんと飲んでよ」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!