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煙草を一本吸い終わる間もなく、素早くモーニングが僕の前に置かれた。
トーストの匂いが僕を誘惑したが、先にホットコーヒーを啜った。
少し冷えた身体を暖めたかったからだ。
安堵の溜息と憂鬱の溜息とが入り交じり何とも複雑な溜息を吐いた。
そのまま、暫く身体を硬直させ、僕は再び煙草に火を点けた。
いつもなら、すぐに煙草を消し食事に有り付くのだが今はそんな気分にはなれなかった。
家を出る時には小腹が空いていたはずなのに、僕の脳は食欲の伝達を行わない。
「私もね、今の貴方のようなそんな時期がありましたよ。」
マスターは遠くを見つめながら呟くように言った。
「僕はどうすればいいんでしょう?」
詳細を話してもいないのにマスターに答えを求めた。
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