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「勘違いだったらごめんなさい。」
直子は何も言わない僕を気遣っているようだった。
「そんなことないよ。音秋さんの小説好きだから。」
「嬉しい!!`春のうたた寝'この間、初めて読んだんですけど今までの音秋さんの小説の中で一番素敵だと思いました。」
本当に嬉しそうに直子は言った。
「僕も`春のうたた寝'が一番気に入ってるんです。」
「そうですよね!!見たことのないはずの情景が目に浮かぶんです。繊細で優しい春の風がまるで、私を包んでくれているような…。愛と優太のすれ違う気持ちが切なくて思わず泣いちゃいました。」
直子はそこまで一気に言い終えるとはにかんだ。
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