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直子はとても積極的で素直だ。 何事も思ったことは単刀直入に告げる。 何を考えているのか分からない安芸とは性格も真逆だった。 安芸は猫のように自由気儘でいつか何処かに飛んで行ってしまうような不安定な所があった。 僕はそんな安芸を守りたいと思っていた。 僕のすべてを掛けて。 安芸が姿を消した時、僕はすべてを失ったような気がした。 僕の生きてきた意味も生きていく意味も。 何もかもが崩れ去ったように思えた。 安芸の居ない部屋は無機質で冷たくて。 安芸の居ない明日が来ることに酷く怯え眠れない日が続いていた。 そんな僕の冷えきった心を直子の優しく温かい笑顔が溶かしてくれているように思えた。
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