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一体どのくらいの間、僕と直子は言葉を交わさず向かい合っているのだろうか。
窓ガラスの向こうの空もあっと言う間に暗闇を引き連れて。
優しく流れ落ちていた雨雫も滝のように流れていく。
漸く僕は口を開いて、ただ一言
「どうして君が安芸を知っているんだ?」
と言った。
これ以上適切な言葉が見当たらない。
他にも聞きたいことは山程あったが、この言葉が真っ先に口を突いて出た。
直子は暫く黙っていた。
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