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「怒らないで聞いて欲しい。」 そう言って、こめかみを抑えた後、顔を覆った。 「その前に水をもらってもいいかしら?」 直子は酷い偏頭痛に悩まされている。 きっと薬を飲むつもりなのだろう。 僕は黙って頷いた。 直子が鞄の中にあるエルメスのベージュ色のポーチから薬を取り出して、テーブルの上に無造作に置いているペットボトルを掴んだ。
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