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「純ちゃんって子供みたいね。」
安芸がクスクスと笑った。
僕がハンバーグだとかグラタンだとか、お子様ランチに出てくるようなメニューが好きだと安芸に話したからだ。
安芸はいつも、とても楽しそうに僕の話を聞いてくれる。
そんな安芸を見て僕は嬉しくなって、また面白ろ可笑しく話をする。
彼女の笑う顔が見たかった。
僕はただそれだけの為に一時間でも二時間でも日が暮れるまで話し続けた。
安芸が笑う度に、彼女の柔らかくウェーブした髪が陽に透けて揺れた。
安芸から目が離せない。
吸い込まれるような安芸の瞳が僕を捕えて離さない。
そんな安芸は例え話が好きだった。
もしも、翼が生えたらだとか。
もしも、生まれ変われるのなら何になりたいだとか。
だから安芸がこう言い出した時に僕は深く気にも止めなかった。
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