プロローグ

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プロローグ

永い永い時間を経て。 今一度、見つける事が出来た。 キラキラ光る、眩しい命。 軽々しく動ける立場ではないと、重々承知している。 永い時を耐えてきた。 これからも耐え続けるはずだった。 だが、もう自分は知ってしまっている。 手を伸ばせば、届く事を。 触れる事が出来るという事を。 一度覚えた願望は、まるで飢えた喉の渇きに似て、癒される事はなかった。 日ごと募り続ける渇きを癒したくて。 初めて自ら『檻』を出た。 立場を忘れた訳では無かったが、膨れ上がった渇きを制御する術を知らなくて。 これ以上耐える事など出来なくて。 後戻りは出来ない。 理解の上で、立ち上がる。 眼下に広がる町並みへと、踏み出した。 振り返る事はしなかった。image=317730214.jpg
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