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幼少時、緋桜と別れてからもずっと肌身離さず持ち続け、いつも心の支えにしてきた勾玉。
握りしめる度に思っていた。
『自分は一人ではない』
いつも自分の心を温かくしてくれた勾玉は今、その感触すら冷たい。
何かが、はち切れた。
「うあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
耐えきれなくて、叫ぶ。
喉が痛み、悲鳴をあげていたが関係無かった。
いない。
もう、何処にも。
その現実が、心を掻きむしる。
ただ、叫ぶ。
それ以外何も出来なかった。
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