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「確かに不審者丸出しだ。・・・だがな?何でもかんでも不審者引っ捕らえて来てどうすんだ馬鹿野郎共が!うちは牢屋でも不審者預り所でもねぇ!!」
壬生浪士組屯所内に重低音がこだまする。その重低音に男二人が首を竦めた。
「だってさぁ土方さん!?あいつ抜刀しかけの浪士達を前に全く動じなかったんだぜ?しかも俺と新八さんの尾行にも気付いてたし!?惚けちゃいるが怪し過ぎるよ」
土方と呼ばれた男が尚も説教を続けようと口を開く寸前,隣の男が口を開く。
「あの者は明らかに武芸者だ,しかも相当の手だれとみた。そんな男が何故身分を隠すのか・・・?」
「・・・・新八,お前の考えではそいつが薩長の間者かもしれねぇと?」
「可能性は潰すべきかと」
土方は数舜思案した後「よし。俺からもその男を詮議してみよう。処分はその後だ」
言うが早いか土方は改築した蔵へと足を向けた。
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