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加藤くん
コンビニの加藤くんって誰だよ。
…思いつつも、真衣子の話が始まった。
「何か、凄い指とか長くて綺麗な指をしてるの。ちょっと触れちゃったよ~。」
真衣子は今、始まった恋に夢中だ。
先週の永井さんの立場は?
…まぁ彼が知るはずもない話だが。
真衣子の先週の妄想デートのお相手だから…
彼女は続ける、
「私が、指綺麗ですね。って言ったら『あぁ、ありがとうございます。』ってぇ~超笑顔がヤバイってぇ~。」
私は時々関心する事がある。
私は言えないセリフをシレッと言う事。
恋に貪欲な事。
少しは見習う事も必要かも知れない。
彼女は私の思惑とは別に次々と続ける。
「絶対、あの指はピアノとかやってるね。だって、指長いもん。」
あぁ、指が好みだったんだな今回は…。
「あの指で髪とか撫でて貰ったらヤバイって。加藤くんって意外と強引な感じっぽいしぃ~。」
「発展はやっ。」
私は、脳を通らずに口からコノ言葉が出た。私は彼女に聞いた。
「真衣子さ、加藤くんって今日会ったばっかりだよね?…名前なんでチェックしたの?」
「ネームプレートあるじゃん。
今日会ったばっかりだけど、今日かっこいいなら、明日もかっこいいに決まってるじゃん!」
「確かに、今日かっこ良ければ明日もそうだね。」
真衣子は得意気に嫌味ない笑顔で
「でしょ?!」
と言って天を仰ぎながら
「明日も天気が良かったら、ココのコンビニに来よう!加藤くんに会うために!」
「…雨降ったらどうするの?」
「…そこ!夢の無い事言わない!!」
明日の事は分からないが、私はそんな真衣子が結構好きだ。
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