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2人のやり取りを見ていた先生が言った。
「なんだ野崎,鳴海と知り合いなのか」
「はい。鳴海くんとは幼稚園と小学校が同じでした」
野崎が振り替えって答える。
「よし。丁度鳴海の隣が空いているな。野崎の席はそこにする」
「分かりました。机と椅子を持ってきます」
そう言って再び廊下へ出ていく。だがすぐ机と椅子を持って帰ってきた。
「よ~し,じゃあ解散」
野崎が座るのを見て,先生が言うとそのまま教室を出て行った。
「あ,鳴海くん」
「ごめん野崎,ちょっと出掛けてくる」
何か話しかけてきたが,今は脱走が先決だ。話すにしても他のところがいい。
「え?あ,ちょっと」
戸惑う野崎を置いて教室を出た。
「2人だけか」
しばらく歩いてから言った。
「カズから話を聞けるのは俺ぐらいだろ?」
「今は皆,みかっちを囲ってますよ」
みかっちとは。もうあだ名を決めたのか。
「で?何を話せばいい?」
教室から僕に着いてきた充と結衣の方を向いて言った。
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