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「小学校時代,みかっちとかずやんはどんな関係だったんですか?」
まず結衣が聞いてきた。
「仲のいい友達だよ。家も結構近かったし」
歩いて数分という距離だったな。
「なんで転校したのか知ってる?」
「父親の転勤らしいな」
スカウトされたのはその後のはずだ。
「当時の野崎さんはどんな感じだった?」
「それはかなりモテていたよ。優しかったし,可愛かったし」
「かずやんも好きでした?」
「僕は幼稚園からずっと一緒だったからな。恋愛対象として見たことがない」
「幼なじみとの感動の再会か」
「まあそんなもんだろ。感動はしてないが」
5年も前から会ってない。記憶からも消えかけていた。
「そうですか。じゃあ私は帰ります。みかっちとも話したいし」
そう言うと結衣は教室に帰っていった。
「なあ野崎さんって,同じ家に帰ってきたのか?」
「多分な。あの家は野崎のお祖父さんが住んでいるから」
「帰ってきたと」
「きっと」
納得したように頷いてから,充も帰りだした。僕もついていく。
教室では野崎にたくさんの人だかりが出来てるだろうな。なんたって雑誌に出てるアイドルだ。他のクラスからも来ているだろう。
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