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「生徒会長さん,その性格,作ってるの?」
学校を出た途端,いきなり核心をついてきた野崎。
「え?あ~,なぜそう思うんだ?」
「私は仕事上性格を作ってる人をよく見るからね~。大体分かるの」
「どういうことだ?」
詳しく聞いてみる。
「天使の顔で近寄ってきても,相手を蹴落とすことしか考えてない。そういう子が多いのよ,芸能界には」
「野崎もその仲間か?」
野崎は声を上げて笑いそうになった。
「まさか!私はそこまで子供じゃないって。それにモデルなんて趣味みたいなものだし」
まあそうだろうな。野崎は何にも考えていない気がする。
「で?会長さん,それは作ってるのかな?」
奈央子はしばらく考え込んでいたが,諦めたように言った。
「ああ。まあそうだな」
「やっぱり!じゃあ普段はどんな風?」
「それは秘密だ。周りに生徒もいる。このことは誰にも言うなよ?」
「分かってるって。秘密は守る,野崎ですから♪」
本当かと疑いたくなる。すると野崎がこっちを向いてきた。
「鳴海くんは知ってたの?」
「2期連続で一緒に生徒会をしているからな」
実際のこと言えば,奈央子と付き合うことにならなければ知らなかっただろう。だから気付いた野崎は恐ろしいと思う。
「ふ~ん,そう」
野崎はそれからしばらく考え込んでいる風だった。
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