降臨したアイドル

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「あ,鳴海くんこっちこっち」 野崎が僕の腕を引っ張ってくる。 「なんだよ?」 黙って引っ張る野崎。向かった先は本屋だった。 「確か今月号には私,載ってるはずだから」 そう言って雑誌コーナーまで引っ張られた。そして少女向けのファッション誌を取り出す。 「ほら,これ」 ぱらぱらめくって,写真を指差した。確かに野崎だ。 「実物より可愛く写ってるな」 「カメラマンさんがうまいんだよ」 皮肉を言ったつもりだったが,普通に返されてしまった。逆に困る。 「さ,さっさと行こう。バレるとアレだし」 そう言うと,野崎はまた僕を引っ張って歩き出した。
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