プロローグ

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月曜日。僕は普通に登校してきたわけだが,脳内80%が女子に関することで構成されている,僕の友人の清川充(キヨカワミチル)が朝から元気に声をかけてきた。 「おっはよ~,カズ!今日もいい天気だねえ」 「そうだな,おはよう」 「うっわ,テンション低っ。体調不良?」 「いつも通りだ」 「ちぇ,釣れないなあ。副会長さんは」 充はつまらなさそうに言う。 「あ,そうだ。さっき生徒会長さんが来てたよ。昼休みに会議があるって」 「分かった」 まあ会議なんてよくあることだ。この学校の生徒会は,多分かなり働いている方だろう。 「でも生徒会長さんって可愛いよな~」 「可愛い?」 「うん。だってあの人,性格は大人びてるけどルックスはめちゃ可愛いって,マジで。 告白したら付き合ってくれるかな?」 「やめとけ。お前には無理だ」 実際問題,僕と奈央子が付き合ってなくても,充は振られただろう。一昨日の話を聞いたところでは,間違いない。 「分かってるさ。どーせ俺には無理。不釣り合いだし。 でもさ,この学校の生徒会って凄くない?」 「たくさん活動してるからか?」 もともと今の校長は自由にやらせてくれる。駄目だったらやめればいいという精神らしい。だから生徒会企画は結構ある。 「違うわ!レベルだよレベル」 「何の?」 「じょ・し・の」 ああ,やっぱり充の脳内は女の子が80%をしめているのか。
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