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「会長は部活ですか?」
下駄箱を出て,駅へ向かう。僕も会長も電車通学だ。
「まあな。もうすぐ大会もある」
会長は合唱部である。
「しかし凄いですね。部活も生徒会も勉強も両立できるなんて」
会長は成績もかなりいい。1年生の時に1度成績表を見せてもらったことがあるが,5と4のオンパレードだった。
「何のことはない。それに鳴海だって勉強と生徒会を両立しているではないか」
「僕はどこの部活にも入ってませんから」
僕は笑って答える。
「はは,そうだったな」
会長も少し笑った。
「あ,そうだ。鳴海,1つ,お前にお願いがあるんだが」
「何でしょう?」
会長から直直にお願いとは何のことだろう。
「私と…,付き合ってくれないか?」
少し顔を赤らめながら言った。
「はい?」
付き合うっていうのは,喫茶店に付き合うの付き合うか,彼氏彼女の付き合うかどっちなんだろうか。恐らく後者であっているだろう。
「ご冗談を」
「冗談ではない。私は鳴海が好きなんだ。去年,一緒に生徒会をやってからな」
会長が真面目な顔で言った。顔は赤かったが。
「えー,ちょっと考えさせてください」
「分かった」
会長が僕を好きだって?しかも冗談じゃないのか。付き合うか付き合わないか,どっちにしようか…。
僕は女の子とろくに付き合ったこともない。果たして会長の相手がつとまるだろうか。しかし,会長は僕を好きでいてくれているんだ。僕も会長が嫌いな訳じゃない。断る理由なんて無いじゃないか。
「分かりました。僕は会長と付き合います」
「そうか。ありがとう」
会長はふふっと笑った。本当に喜んでいるのか?
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