修学旅行という名の想い出作り

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~絵美ルート~ 充くん,私達の話し合いの時は鹿が好きなんて言ってなかったよなあ。なんで今日になって。恥ずかしかったのかなあ。 「川口さん,そんなとこで突っ立っていないでこっち来なよ」 充くんが手招きしてる。言われなくても行くって。 「うん,ちょっと待ってよ」 「早くしないと時間が無くなってしまいますよ~」 「そうだね」 結構時間が無いんだよねえ。 「遊ぶって言っても鹿に餌付けするだけだよなあ」 「確かにそうだね。だけどこうやって,身近に鹿がいるのを感じるだけでも楽しいものだよ」 充くんとも近くにいれるだけでいいものだよ。考えただけで顔が赤くなっちゃうよ。 「だよね。近くにいるだけで楽しいですよね♪」 結衣ちゃんが私を見て言ってくる。 「もしかして知ってる?」 結衣ちゃんに囁く。 「絵美たんがミッチーを好きだってことだったんですか?」 知ってるんだ。流石は情報屋ってことだけあるなあ。 「やっぱり,2人きりの方がいいですよね」 「え?」 「ミッチー,結衣ちんはちょっと他のところで遊んできます。絵美たんと仲良くしててね」 「了解。でもどこ行くの?」 「それは秘密です♪」 結衣ちゃんはそう言うと,別のところへ走っていった。 「誘ってきたのはあっちなのに」 「結衣ちゃんは不思議っ子だから」 たまに結衣ちゃんはよく分からない行動をすることがある。でも今回は私の為。でも充くんにはそれを言えないよね。
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