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夕食は,生徒全員が集まって食べる。最初に先生が就寝時の注意やら風呂の順番やらを話して,その後食べはじめる。
「会長には何て告白するんだ?」
僕はルームメートとテーブルを囲んでいる。
「俺の気持ちを,ありのままに伝えるだけだ」
「なるほど。変な言い回しをするよりマシだな」
「ああ,男だからビシッと言ってやるぜ」
僕は頷いてまた食べ続ける。奈央子にはどうやって誘おうか。まあ僕が言えば大体大丈夫だろうけど。
「ごちそうさま」
さっさと食べ終え,立つ。
「よろしくな~」
「ああ」
なんだか気が引けるな。自分の彼女が告白されるのを手伝うなんて。
「会長~」
同じテーブルの女子生徒達と楽しそうに話している奈央子を呼ぶ。
「なんだ,鳴海?」
こっちを振り向く。
「今夜8時頃に僕の部屋に来てください」
「なになに?密会?」
奈央子と同じテーブルの女子が面白そうに言っている。
「何の用でだ?」
無視して奈央子が言う。
「僕の友達が一緒に話したいとか」
奈央子が僕の目をじっと見てくる。そして,しばらくしてから言った。
「分かった。8時だな?」
「ええ,よろしくお願いします」
そして部屋に帰る。帰り際に携帯が鳴った。奈央子からのメールだ。
「本当は何の用なの?」
どうやら信じられていなかったらしい。
「来れば分かる」
送信。
こうすれば絶対に来るだろ。
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