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修学旅行2日目の夜。今夜は生徒会主催カラオケ大会がある。発案者が誰かは言うまでもないだろう。まあ生徒達には一応極秘で進んでいた企画だ。
今,奈央子が皆の前でそれを発表する。
「諸君,聞いてくれ」
マイクを持って話し出す奈央子に全員が注目する。
「実は今日,夕食の後でカラオケ大会を開催する。参加したい者だけ,8時,ここに集合だ。以上」
それだけ言うと,奈央子は席に戻った。
うおーっと歓声が上がる。
「会長も歌うのか?」
篠島が聞いてくる。
「さあな。頑張れば歌ってくれるんじゃないか?」
煽れば歌ってくれるだろうが,奈央子は一体どんな歌を歌うのだろう。楽しみだな。
「カズは出るの?」
「そりゃあ生徒会企画だからな。出ないわけにはいかないだろう」
「じゃあ絵美も来るの?」
「当たり前だ」
主催者が出ないわけにはいかないだろう。
「楽しみだな」
だろうな。充は今日は朝からずっと川口さんと一緒だ。
「鳴海は何を歌うんだよ?」
「僕が歌う歌なんて決まってるだろう」
僕は歌うアーティストは大体決まっている。
「いや知らねえよ。お前とカラオケ言ったこと無いし」
高木とはあんまり遊んだりしないしな。家も遠いし。
「じゃあお楽しみってことで」
「俺らは全員参加だよな」
と篠島。
「いや,霧生はこういうの苦手だろ」
高木が言い返す。
「…行く」
少しムッとしたような霧生。
「マジか?すまん」
「…許さない」
軽いジョークなのか本気なのかはよく分からない。
ただ,人数が多すぎたらどうしようか。1人最低一曲は歌えるようにしたいが。
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