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「ここで良いんだよ千」
「?」
千は何故ここに来たのかわからないご様子。
まぁ人が全然居ないし、何もない場所なんだもん疑問を持つよな…
神社の賑やかさが少し恋しいぜ…
「千空を見ろ」
「えっ?」
千は急に言われ急いで顔を上げた。
ヒュー…………ドーン!
花火の爆風なのかはわからないが千の茶色の髪がにわかに揺れた。
「キレイ…」
「だろ?
去年まではここで1人で花火を見ていたんだ
俺の隠れスポット」
「私…本当にケンちゃんと出会ったあの日を思い出しちゃうな…」
「千…俺思い出したよ…
お前と始めて会ったあの日の事…」
千とさっきまでずっとずっとお祭りの出店で遊んでいて思い出していった。
そうか…アイツが千だったのか…。
「遠回しにヒントを出してあげた私に感謝しないねん♪」
俺は左手を、千は右手を繋いで座りながら花火を見ていた。
「ケンちゃんに教えてあげる
あの前の私と…あれからの私…
ケンちゃんには私の全てを知ってもらいたい」
千が語りながら俺はあの日出会ったか弱き少女と千を重ねながら話を聞いていた。
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