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あの日も人、人、人でお祭りが人で埋め尽くされていた時だった。
「あれパパ?ママ?」
2年生で子供だった私にとってこのお祭りは広過ぎた…
人が多すぎた…
身長が低すぎた…
「パパ……ママ…」
お祭りは賑やかすぎて私の叫びもかき消されていく。
みんながワイワイ騒いで楽しんでいる中私だけは孤独で寂しくて取り残された世界だった…
ここどこ?
わ…私迷子になっちゃったの?
迷子なんて嫌だよ…
パパ、ママ…
どこなの?
「ねー君泣いてるけどさ迷子なの?」
私は知らない同じくらいの男の子に声をかけられた。
「ウック…ヒック……だ……誰でしゅか?」
「俺はね高村健太って言うんだ
俺が君の父さんと母さんを探すのを手伝ってあげようか?」
そう言って男の子は笑顔で手を差し出してきた。
私に希望の光が見えた。
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