現ノ宮

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カサカサ カサカサ 顔に何か当たってる… 僕は目覚めた 目を開けた僕が見たのは 綺麗な青空 輝く太陽 青々とした草 「えっ?」 慌てて起き上がる 夢の中でドアを開けた そこまでは覚えてる 目が覚めて起きた僕が見るのは 白い壁 白い床 白いベッド のはずだ なのになんでこんな大自然が広がってるんだ? 夢からまだ覚めてないのかな? そう思った僕は顔をつねる 「痛っ!」 右頬がじんわりと痛んだ 「夢じゃない…」 よく考えると僕は一人で立っている 昨日までは看護師さんの支えがなければ立てなかったのに、だ 「どうなってるんだろう」 試しに爪を肌に思いっきりたててみた 「血が出ない…」 嬉しさで身体が震える 今まで望み続けたことが実現出来るような気がして 証は右足を一歩踏み出した 左足も踏み出す 「歩ける!歩ける!」 両手を空に突き出し喜んだ ジャンプも出来た 走ることも出来た 地面を転がることも出来た 夢が叶った証は辺りを走り回った
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