現ノ宮

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しばらく走り続けるが息切れもしない 証は自分が寝ていた場所から遥かに離れた森に着いた 森の中に少し入ると 場違いな程大きな木が立っている 「大きな木だな。樹齢何年ぐらい何だろう」 シュル… 「なに?」 僕は後ろから何か物音を聞いて振り返る …… 何にもいない そう思って大木の方に視線を戻す シュル… 今度は素早く振り返る 「うわ!」 大木の木の枝がヘビのような形になって僕を食べようとしている 逃げなきゃ! 僕は必死に森の出口に向かって走る シュルシュル! 枝はグングン伸びて僕を食べようと追って来る ガッ 木の根っこに僕はつまづく 「うわぁぁぁ!」 木の枝が顔の直前まで迫る ゴスッ 両手を顔の前でクロスさせていた僕は腕を降ろした 木の枝は分厚い本によって何故か僕を襲うことが出来なくなっている 木の枝を防いでいた本が僕の方に移動して 足下に落ちた 本のタイトルは 『夢の世界のお話』 「この本って一体…」 僕が本に注目していると木の枝がまた向かってきた どうしよう! さっきこの本は枝ヘビを追い払った だから本を投げ付けたら怯むかもしれない! それしかない! 「えいっ!」 僕は木の枝に本を投げ付けた ヒュン! ゴン… 一応当たったが手応え無し 「嘘だ…。やばい!」 僕は右横にジャンプした バキバキバキ 木の枝はぶつかった木を噛み砕く 何とかしないと!
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