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一人の男が目を覚ます。 カーテンの隙間から差し込んでくる朝日が眩しい。 だるそうに溜め息を吐くと、床に脱ぎ捨ててあったシャツに腕を通しながら、まだ寝ている少年を見る。 昨晩の行為で疲れたのだろう。 すやすやと眠っていてまだ起きる気配はない。 『まだ寝かせておくか……』 そう考えて、軽く頭を撫でると一人キッチンへと向かう。 「ちーす。久し振り―」 キッチンでコーヒーメーカーをセットしていると、急に勢い良く窓が開いて翠の髪をした男がそのまま空いた窓から入ってきた。 「不法侵入だ。さっさと帰れ」 侵入者にそっけなく言うと、マグカップにコーヒーを注ぎ口をつける。 「えぇ―!久し振りに会ったのにひでえじゃん。てか客に茶くらい出せよ。気ぃ利かねぇな」 「窓から入ってきた奴のどこが客だ。侵入者の間違いだろ」 いつの間にか、ソファーでふんぞり返っている男に呆れながら言うと、別のマグカップに注いだコーヒーをテーブルに置いてやる。 「お―!やっぱ気が利くねぇ。サンキューな」 目の前に置かれたマグカップに、嬉しそうに口をつける。 そして落ち着くとまた喋り出した。 「なぁなぁ、この前またあの屋敷に行ったんだろ。どうだったんだ?いい奴見つかった?」 まるで子供のように興味津々で聞いてくる。 あの屋敷というのは人身売買の屋敷のことだろう。 「お前に言う必要はない」 「何だよケチ―」 そう言って軽くあしらうと、またコーヒーに口をつける。 紅蓮の軽いあしらいに、蒼樹は不満そうな声をあげ、不満そうにしながらコーヒーに口をつけ、啜る。
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