愛玩人形-アイガンニンギョウ-

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草木も寝静まった夜。 聞こえるのは規則正しい寝息と虫の音……。 その主は1人の少年。 窓から入った月明かりに照らされてうっすらと顔が浮かび上がる。 安らかに眠るその顔は、これから起きる事など知るよしも無かった……。 †愛玩人形-アイガンニンギョウ-† 屋敷内を歩く1人の男。 その男は此の屋敷の主人でもある紅蓮。 紅蓮は今、零汰の眠る部屋に向かっていた。 荒々しく扉を開けて、布団を剥ぎ取ると零汰が目を覚ました。 「ん。ぐ、れんさん?まだ夜です、よ?何やって、るんですか?」 寝起きのせいか呂律が回っていない。 口調もたどたどしい。 「何って……ペットは躾をするものだろう?」 紅蓮は妖しく笑う。 逆行のせいか零汰はその笑みに気付かなかった。 「ペット?しつけ?」 零汰は言葉の意味が分かって無いのか同じ言葉を繰り返す。 「その内分かる」 そう言って紅蓮はベットに上がり、零汰の手を掴んだ。 「いやっ!!離してっ!」 零汰は危機感を感じて暴れる。 しかし寝起きの体は簡単に言う事を聞かず、すぐ紅蓮に捕まってしまった。 「離して!何で僕が!!」 足をバタつかせて暴れるが、大人の男の力に敵う訳がなかった。 「言った筈だろう。ペットは躾ると……」
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