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妖しい笑みを浮かべる。
その眼は飢えた獣のようで爛々と光っていた。
「いや‥‥やめて……」
恐怖で声が震えている。
これから何をされるのか分かってないのだろう。
「良いな、その表情……。そそられる」
零汰の表情を見て、更に紅蓮の笑みに深みが増す。
軽く唇に口付ければ鋭い痛みが走った。
「っ!!」
唇を舐めると微かに錆びた鉄の味が広がった。
「最初だから手加減しようと思ったが、別にしなくても良いみたいだな」
どこから取り出したのか細い紐で零汰の手を頭上で拘束する。
零汰は逃げようと体を捻ったが、紅蓮に馬乗りされているため逃げるのは叶わなかった。
「いやだっ!離せよ!!」
唯一、動く足をバタつかせて暴れるがほぼ無意味で効果はない。
その足も慣れた手付きでベットの柱に結ばれ、零汰は完全に身動きが取れなくなってしまった。
「良い格好だな、零汰」
「嫌だ、何で!!」
逃げようと手足の縄を外すためにもがくが反対に掠り傷が増えただけだった。
「何をしている?綺麗な体に傷が付いてしまうだろう」
「お前には関係ない!」
噛み付かんばかりの勢いで反論するが紅蓮には効果がない。
「やれやれ。やっぱり少し痛い目を見ないと分からないようだね
呆れたように言うと紅蓮は零汰の着ていた服を、引き裂いてしまった。
青白い月明かりの下に零汰の裸体がさらけ出される。
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