プロローグ†必然の出逢い†

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「それでは商品の登場です!」 商人がそう言うと奥から1人の少年が連れてこられた。 藍色の髪に黄土色の眼。 俯いているのでよく分からないが年の頃は10代か。 連れてきた男が髪を掴んで顔を上げさせる。 顔立ちがはっきり見えた。 まだ幼い顔立ち。 多分、この競りに出された少年の中では一番幼いだろう。 その眼には恐怖の色が見てとれる。 目玉と言うだけあって可愛い顔をしているだろう。 「気に入った……」 小声で呟く。 「競りを再開します。今回は500万から!」 「700万!」 「1000万!」 先程の倍の早さで値段が跳ね上がる。 どうやら、この少年を落札しようと必死らしい。 「1億!」 「1億出ました!まだ上はいらっしゃいますか?」 「2億!!」 紅蓮はまだ動かない。 最後に勝負を仕掛けるようだ。 「2億5000万!」 「この上!!」 「……………」 沈黙が続く。 これ以上は無いらしい。 「それではこれで決ま「3億出そう」 そこで紅蓮が口を挟む。 会場が一気に騒がしくなった。 皆がこの金額に驚いているようだ。 商人も一瞬、驚いたようだが何事も無かったのかのように事を進める。 しかし動揺は隠せないようだ。 「そ、それではこれより上は居ますか!?!?」 騒がしかった会場が静まる。 皆がこの金額に納得したらしい。 「それではこの金額で決まりです。69番の人は前にどうぞ」
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