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わたしの身体はガチガチに固まっていて、掌に食い込んだ爪はきっと血に濡れている。少ししてあなたは数歩後ろへと下がる。まるで、わたしの今の有り様を眺めようとでもするかのように。
何の感情も窺えない虚ろな視線が、わたしの身体を辿っていく。
肩の辺りでざんばらに切られた髪。元々腰まで伸びていた筈の直毛は、今は見る影もない。
あなたはそれに満足した様子で、ようやく晴れやかな微笑みを見せた。
「なんだか、まるでお人形さん遊びをしているみたい」
そんな残酷な言葉と共に。
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