遊園地と花火と君(ベターハーフシリーズ)

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シュン、としてしまった妹尾を、引き寄せて抱きしめる。 バイトが深夜近くなったのは本当だけど、それもこれも今日の為だ。 急な抱擁に身を固くした妹尾は、それでもオズオズと背中に手を回してくる。 「めっずらしいわね…、こんな人前で」 「あぁ?…そ―ゆ―気分なんだよ。 気にすんな」 「そればっかり」 元々近い身長が、ヒールのせいでさらに縮まっていて。 クスクス笑いを首元で感じる。 ちょっと身を離し、首を傾けて、キスを落とす。 「乗れなかった分は、これで勘弁してくれ」 「…馬鹿」 一度が二度、二度が三度になる頃。 遠くで花火が始まっていた――。 花火と遊園地と君 (じゃ、本当の御休憩しに行くか) (…!馬鹿ぁああ!!)
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