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こんな穏やかな日々を迎えられるようになるまでには、
お互い様々な葛藤や紆余曲折があったけれど・・
今はそんな事どうでもいい位幸せだ。
高校時代、憧れて憧れて、初めて恋した人が、今自分の側にいる。
僕はあの頃同性を好きな人間なのだと自覚していた。
だから、同性でしかも人気者の尾崎さんは手の届かない存在だと諦めていのに…。
僕は本当にあなたの側に居ていいのかな…
あなたに相応しい人間なのかな…
尾崎さんの腕の中でそんな事を考えていると
「立花…お前その格好で出勤するのか?」
突然言われ、僕は改めて自分がどんな服装なのか確認した。
上はワイシャツ、下はパジャマのままといったなんとも間抜けな姿ーー
「あっ、これは…その…」
クスクスとおかしそうに笑う尾崎さん。
僕はみっともなくて、耳まで真っ赤になった。
「まだ時間はあるんだ、ゆっくり着替えるといい」
そういうと、尾崎さんは僕の額に軽くキスをして、上着を取り玄関へ向かう。
「じゃ、先に行くよ。立花」
「あっ、尾崎さん朝食は?」
「コンビニで適当に何か買って済ます」
「でも、それじゃあ…」
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