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「ばいばーい!また明日ねっ」
親友2人と別れ、私は学校の屋上に向かった。
屋上のドアを開けると、春らしい暖かな風が私の横を通り抜ける。
腰まで伸びた長い髪を風に靡かせ、両手を空に向かって目一杯伸ばす。
「きっもちー!」
誰もいない屋上は、今は私だけの場所。
屋上に行くまでに異様に長い階段を昇るのが面倒なのか、そのせいで屋上に人が現れることは滅多になかった。
私はフェンスの近くに1つだけぽつんと設置してあるベンチに腰をかけた。
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