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(あれ…?鞄を持ってきてもらうってことは、会うってことで、会うってことは……) 今の自分の状況を見てみる。そう。先輩にお姫様抱っこをしてもらっている状況。 (まままままずいっ、結衣子と理子に見られたら…っ!!) 冷や汗が、こめかみを伝う。 「あのっ、先輩っ、私っ、もう大丈夫で……」 「もう着くから。…ほら、そこに」 先輩が顎で指した方を見てみると……、やっぱり理子と結衣子がいた。私達に気が付いたのか、二人が振り返る。 「あら、凛……」 「凛たん……」 何も言わないで、分かってるから、今の状況。ただ──…、 (そんなニヤニヤした目で見ないでー!!) 口で言われるより、ダメージが大きいのは何故だろう… 「はい、鞄」 結衣子が(ニヤニヤしながら)二人分の鞄を私に渡した。 「あああのっ、あのねっ、これはっそのっ………あっ!鞄!!先輩の鞄どうやって持ってきてくれたの!?」
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