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「………」
部屋に着いたのはいいけど、話しの本題に入れず沈黙が続く。
「……あの、わざわざ寄ってもらっちゃって…、ごめん、なさい……その、お話ししたいことがあって」
いざ話そうと思うと、話すことをやっぱり躊躇ってしまう。
「凛……」
「わっ、先輩っ…」
話すことを躊躇っている私を、先輩が優しく抱き締めた。
「俺はお前を嫌いになんかならない。絶対に」
「先輩──…」
「だから凛、教えて…。もっと凛のこと知りたい───…。」
どうしてだろう…。さっきまで話すことを躊躇っていたのに、先輩のその一言を聞いただけで胸のつかえがとれた気がした。
「ありがとうございます、先輩…。話します。私のこと──…」
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