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「はぁぁ…。どうしよう」
青く晴れ渡った空とは裏腹に、私の心は暗く曇っていた。
「そんな事知らないわよ。っていうか、あんたが気付かなといけない問題よ?それ」
「んもうっ、凛たんかーわーいーいーっ!」
結衣子からは実に冷たい反応を返され、そして何に気付かないといけないのかも分からない。おまけに理子は私の背中に抱きつき可愛いを連呼している。
「だって、本当に分からないんだもん…。」
はぁぁ…、と盛大に溜め息を零す。
「こらこらぁー。そんな溜め息ばっかりしてたら、ちっさいオジサン逃げてくぞー」
ちっさいオジサンも、楽しそうに私の頬を突っつく理子を払う元気もない。
「……で、いつまでそうやって先輩のこと避けてるのよ」
「うっ………、それは……」
いきなり核心を突かれ視線をさまよわせる。
そう、家に先輩が泊まった日を境目に、私は先輩を避けていた。
そして今も先輩から逃げてきてここ、屋上にいるのだ。
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