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「それは、その……」
言おうか言わないか迷い、口をもごもごさせる。
「どうせ、先輩が泊まった時に何かあったんでしょう?」
「あー、なになにっ、凛たん襲われちゃった?」
「そそそっ、そんなんじゃないよっ!」
顔を真っ赤にして首をブンブンと横に振る。
「じゃあ何よ」
「………お父さんの事とか、話したの…。先輩に」
隠していても2人にはバレてしまうと思い、正直に話すことにした。
「そう…。話したのね。それで、先輩は?」
「………」
理子も離れて、真剣な表情で結衣子と同じ様に私の顔を見つめてくる。
「それでも好きって、言ってくれ……ました」
なんだか自分の口から言うのは恥ずかしくて俯く。顔が熱いから、きっと私の顔は真っ赤だと思う。
「………良かった」
俯いていて結衣子の表情は分からないけど、きっとホッとした表情になったに違いない。
「………本当に」
理子も安心したのか、ふぅっと息を漏らす。
2人は私の家の事情を知っているから、先輩が何て答えたのか本当に心配だったのかもしれない。
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