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あっちゃんは今までの事を話してくれた。
夏に発売した『next』がオリコンで一位を取ってから知名度が上がってファンが増えてきた事。
そのファンの中でも、握手会で手を離さなかったり、イベントの進行を邪魔したりする悪質なファンの事。
家の住所を調べて来たり、郵便物を取って行ったり、転送するよぉなストーカーの事。
話をしている時のあっちゃんは悲しそうな顔をして俯いた。
俺は頭を撫でてあげた。
「知名度が上がって、街でよく声をかけられる事があります。
私だとわかると人集り出来て、みんなが我先にと、握手や写真を勝手に撮って行くんです。今まで怪我人が出なかった事が不思議なぐらいなんです。
だから友達とも親とも一緒に遊びにも行けない。
でもあなたは違った。」
俯いたあっちゃんは頭をあげ、俺を見ながら話をした。
「あなたは私達のファンなのに普通に接してくれて、ただそれだけで嬉しかったんです。」
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