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「……全く……心配したんですからね」
佳織が小声で呟いた。
「え?」
よく聞こえないという意味と驚きの意味を半々に、聞き返してしまう。
佳織はため息をついて、少しだけ顔を紅くしながら話してくれた。
「隆之が宿屋に戻って、そんなに経たない内に私達も宿へ向かったんです。
しかし、蓮も隆之も宿屋の周辺には居ませんでした。
それで、心配した水樹ちゃんが空から探しに行ったんです。」
「……」
「そして、水樹ちゃんが飛びつくように帰ってきました。
『白夜くんが血を流して倒れている』と。」
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