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ニコリと笑みを浮かべる女。
そして頭がかち割られるような痛み、寒気が私を襲った。
口の中が乾き、息をするのも苦しい。
「う………ああ………」
隣に居た水樹が倒れる。
女が四、五人に分身したように見える。
「ウフフフ、どうです?さっきよりも強いウィルスのお味は?
範囲が狭いのがネックですが、殺傷能力は十二分にございましてよ?」
女は私が動けないと踏んで、滑舌になった。
私はホルダーから拳銃を女に見つからないようにぬき、安全装置を外す。
「オマエも…詰めが甘いな…」
「…動けない人間が何をおっしゃってますの?」
気分を害したのか、刺のある声になった。
そんな事はどうでもいい…。
朦朧とする意識をしっかりつなぎ止める。
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