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………
………
遠くで声が聞こえる。
「………おり!……詩織!」
誰かに揺さぶられるような感触があり、私はゆっくりと目を開いた。
目を閉じていたためか、太陽の光がとても眩しく感じる。
辺りを見回すと姉、隆之、蓮、水樹が私の回りを囲んでいる。
姉は目に涙を浮かべ、隆之や蓮、水樹も心配そうに私を見下ろしている。
「……生きていた……んだ……」
手が動く。
足も動く。
「このっ……心配かけさせないでくださいよ!」
と、姉は私に抱き着いてきた。
一日に二度も姉の涙ぐむ姿を見られたことに驚く。
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