速攻 【詩織視点】

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私、こういう展開には弱いんだよなあ… 「誰も死ななかったんだからいいって! 道中気をつけろよ、碧」 「…ええ、詩織さんも。 ……あと、言葉使いを改善しないと、勿体ないですわよ? 美人なんですから」 と、ウィンクをされる。 美人、と言われたことに顔が紅くなってしまったかもしれないが、『うるせー』っと言ってごまかした。 全く、最後に人をからかいやがって…。 やっぱり、ここに来ている人は悪い奴ばかりじゃない。 死と言うものが身近に迫る恐怖で、みんなおかしくなっているだけなんだ。 「また、生きて会おうな」 彼女の後ろ姿を見送り、ボソリと呟いた。 さて、仲間達が待っているだろう。 私はみんなのもとへ歩きだした。
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