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「……へ?」
起き上がった水樹はそう言って欠伸をし、ゴシゴシと目を擦る。
寝ぼけ眼で辺りを見回して……俺と目が合った。
「………」
「………」
互いに沈黙。
と言うより詩織に呼び掛けていた佳織の声もブツブツと独り言を呟いていた蓮の声も止まった。
もしかして記憶喪失に―――
そう思いかけたのだが、次の瞬間水樹の目は見開かれ顔が一瞬で真っ赤になっていた。
「……あ…う…あ…う」
口をパクパクさせる水樹。
「……おはよ」
「……わ、忘れてえええぇぇぇ!!」
いきなり拳がとんできた。
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