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「生きていた……んだ……」
体を起こした彼女は手を握ったり開いたりしながら身体の動きを確認しているようだ。
「このっ……心配かけさせないでくださいよ!」
感極まったのか、佳織は詩織に抱き着いた。
詩織は面食らったような顔をしていたが、ふっと優しげな顔になり、佳織の頭を撫でていた。
「ゴメン、姉さん」
「詩織だけ目を覚まさないから、心配したよ。
……目を覚ましてほっとした」
「心配かけて悪いな、隆之」
「……体調は大丈夫?」
「ああ、気分は良すぎるくらいだ」
俺の次に水樹と、次々に心配の言葉をかける。
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