川のほとりで

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少女……比奈は無邪気にケラケラと笑っていた。 ちなみに彼女はまだ俺の上からどいていない。 この子に悪意や殺意の類が無くて本当良かった。 あったのならば、俺は既にこの世に居なくなっていることだろう。 ……まあ、この世なのか定かではないが。 「アハハー、じゃないよ! 逃げなきゃ……。 殺されちゃう……! あ、俺は白夜隆之って名前なんだ。 ……どうしよう……どうしよう……」 「焦っているわりにさらりと自己紹介する余裕はあるんだねー」 「だってよう、名乗られたら名乗りかえさなきゃ失礼じゃんかよう」 「お侍さんみたいだねー」 「接者は白夜と申す……ってやかましいわ!」 「アハハー」 「……漫才、終わりました?変態さん?」
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