44人が本棚に入れています
本棚に追加
「その男の人の名前は紅 炎(くれない えん)。
最初出会った時は怖くて、殺されちゃうかも、って思った。
比奈はただ泣いているだけだった。
香奈もただオロオロしてばかりいた。
彼は隆之君よりもっと背が高くて、体は大きくて、強そうだったし……」
……ん?
俺、もしかして馬鹿にされてる……?
まあいいか、続きを聞こう。
「腰が抜けて、足は動いてくれなくて、比奈は泣くことしか出来なかったの。
比奈、ホントは泣き虫だから。
――だけどね、炎は比奈達に何もしなかった。
武器も荷物も地面に置いて、両手を挙げてわざわざ丸腰であることを証明してね。
『私は君達に手をかける気はない。
だから、その、泣き止んでは貰えないかな?』って言ってくれて……。
それからかな、比奈達が『友達』になったのは」
最初のコメントを投稿しよう!