川のほとりで

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「……うん。 でも、でも隆之君は比奈を殺そうとしてくれなくて、泣きそうでも無理矢理我慢して笑ったり――」 「……はあ。 俺は君にただ起こされただけ、なんだ。 そんなことで君を殺すわけ無いだろうに。 ――それに俺は絶対に人を殺さないよ」 「……君、変わってるね」 「よく言われます。 それじゃ、ちょっと待っていてね。 皆をかき集めてくるから」 「私達を物みたいな言い方しないで貰えます?」 突然、後ろから声がかかる。 振り返ると四人全員揃っていた。 「……げ」 「げ、とはなんだ。 その子の仲間、助けに行くんだろ?」 「ま、聞き耳をたててからかうネタを探そうとしていたオレ達も悪いかな?」 「……時間が無いんだよね、行こ?」 軽口を叩きつつも、皆の目は真剣だった。
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